AI(人工知能)の進化が税理士の仕事の価値を向上させる

 

『AIの進化により税理士の仕事がなくなる!』

クラウド会計ソフトの登場以来、税理士業界ではこの類の話で持ちきりです。

しかし、本当に税理士の仕事はなくなってしまうのでしょうか?

クラウド会計ソフトを専門に扱う税理士の視点から、この問題について考えてみます。

 

税理士の仕事はなくならない

ここ数年、クラウド会計ソフトを使ってみて感じたことがあります。

それは、AI(人工知能)が進化しても税理士の仕事がなくなるわけではない!ということです。

なくなるどころか、私は税理士の仕事の価値を向上させるとすら思っています。

そのためには、税理士も環境の変化に適応して仕事の内容を変化させていかなければなりません。

税理士という仕事をしていれば、この事実を感覚的に理解しているはずです。(未だにクラウド会計ソフトの存在すら知らない税理士もいますが…)

理解しているにも関わらず、「クラウド会計ソフトは税理士の敵だ!」とつまらないことを言っているのは、「私はAIの進化についていくことができません!」と宣言しているようなものです。

AIの進化に適応することで税理士自身も進化することができ、お客様により良いサービスを提供することができます。

 

AIにできること・できないこと

AIの進化に適応するためには、AIについて知らなければなりません。

AIという未知なるものが、税理士という仕事にどのような影響を与えるのでしょうか…

 

税金が一番安くなる方法を教えてくれる

AIが最も得意とすることは、一定のルールに従って定型的な処理を24時間365日休まずに処理し続けられることです。

この2017年時点でも、AIの技術を搭載したクラウド会計ソフトを最大限に活用すれば、ワンタッチで会計帳簿を作成することができるなど、既に人間の事務処理能力を遥かに凌駕しています。

クラウド会計ソフト導入による7つのメリットを税理士が徹底解説

2017.02.19

そして、ほんの数年以内に個人事業者や中小企業ぐらいのレベルの会計・税務の問題であれば、最も効率的な節税をして税金が一番安くなる方法を教えてくれるようになるでしょう。

つまり、この領域で税理士がAIと戦ってはいけないということです。

AIが自動的に税金を安くする方法を提案してくれるのであれば、それを上手に活用することを考えなければならないのです。

 

人間の心理を読み解くことはできない

このままAIの進化が進めば、「税金が一番安くなる方法を教えて」と問いかけるだけで、最も効率的な節税の提案をしてくれるようになるでしょう。

なぜなら、一定のルールの中で明確なゴールが設定されているならば、人間よりもAIの方が合理的でミスのない答えを導き出すことができるからです。

しかし、AIには人間の心理を読み解くことはできない!という致命的な欠陥があります。

AIの提案

社長の役員報酬を親族で分割することで年間100万円節税をすることができます。

人間の心理まで考えた提案

社長の役員報酬を親族で分割することで年間100万円節税をすることができます。

しかし、仕事を少し手伝う程度の社長の親族が、自分と同じぐらいの給料をもらっていると社員が知ったらどう思いますか?

社員の仕事に対する情熱・モチベーションが低下して業績が悪化すれば、数千万円の損失に繋がるかもしれません。

同じ給料としてお金を使うなら、頑張って成果を出した社員に還元した方が業績も上がって、結果的にお金を増やすことができるのではないでしょうか。

これが人間とAIの決定的な違いです。

AIはあくまでも最適な選択肢を提供してくれるものであり、それをどのように使うかは人間次第なのです。

そして、我々税理士はAIをうまく使いこなして、お客様にベストな選択をしていただけるようにサポートしていかなければなりません。

 

税理士の仕事の価値を向上させる

このようにAIがいくら進化しようとも、できることとできないことがあります。

そして、AIが苦手とする人間の心理の部分にこそ、税理士の仕事の価値を生み出すことができると私は考えています。

AIがもたらしてくれるのは、金銭的・法律的・システム的に最適な答えだけです。

そこに、人間の心理・将来の展望・仕事の楽しさなどを加味しなければ、決してベストな答えにはなり得ないのです。

 

AIにより作業を効率化することで、人間にしかできない仕事・税理士にしかできない仕事をすることができます。

AIは税理士の仕事を奪うものではありません!

税理士の仕事の内容を変化させ、より価値を向上させるものなのです!

 

まとめ

AIの進化により税理士の仕事の内容は確実に変化します。

この変化に適応できなければ、税理士として生き残っていくことは難しいでしょう。

しかし、税理士による記帳代行などについても需要はまだまだあるでしょうし、完全になくなってしまうわけではありませんが、低価格化の波に飲み込まれてしまいサービスの質を維持することができなくなります。

税理士として仕事の価値を維持・向上させるためにも、AIとはうまく付き合っていきたいものです。

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