法人の事業年度を決める前に絶対に考えて欲しい3つのこと

 

法人の事業年度は、その法人が自由に決めることができます。

個人事業者と同じ12月でも、大企業のような3月でも構いません。

しかし、適当に決めてしまうと後から大変です。

 

なぜなら、事業年度の決定は、決算月、申告・納税月の決定です。

きちんと考えておかないと、決算予測・納税予測・節税対策などの経営に関する意思決定に支障をきたします。

 

後からでも変更することはできますが、できれば法人設立時にきちんとした戦略を持って事業年度を決めるようにしましょう。

 

法人の事業年度

法人の事業年度は、その法人が自由に決めることができますが、何の計画もなく適当に決めてしまってはいけません。

なぜなら、その事業年度終了の日の2ヶ月後に、法人税・消費税などの申告と納税をしなければならないからです。

 

決算書・申告書を作成して納税するためには、色々なことを考えなければなりません。

  • 今期の業績はどうだったのか
  • 効果的な節税対策はあるのか
  • 納税資金をどのように確保するか

などなど、考えなければならないことが山積みです。

 

これらのことをじっくり考えるためにも、時間的にも金銭的にも、ある程度のゆとりがある事業年度を設定しなければなりません。

 

事業年度を決める前に考えておくべきこと

法人は、決算・申告についてじっくりと考えを巡らせることができるように事業年度を決定する必要があります。

そのために考えて欲しいことが以下の3つです。

  1. 繁忙期を避ける
  2. 納税資金を確保できるか
  3. 法人設立1年目の事業年度

これらについて考えるだけで、無理なく余裕をもった決算・申告が実現します。

 

繁忙期を避ける

法人が決算・申告をするのは、事業年度終了の日から2ヶ月後です。

3月決算法人であれば、5月31日までに申告・納税する必要があります。

 

しかし、3月がその法人にとって、1年の中で一番の繁忙期である場合はどうでしょう。

繁忙期であれば、売上の予測や在庫の管理も難しくなります。

それだけ決算予測も難しくなり、数字にブレが生じやすくなります。

結果として、想定していた以上の納税が発生してしまって、資金繰りを苦しめるということにもなりかねません。

 

法人の決算・申告をするためには、決算予測・納税予測・節税対策など考えなければならないことだらけです。

そのような時に繁忙期を迎えてしまえば、それらの対策を十分に行うことができません。

 

無理のない余裕のある決算・申告を実現するためには、繁忙期を避けて事業年度を決定しなければなりません。

 

納税資金を確保できるか

法人は、決算・申告と同時に納税もしなければなりません。

つまり、事業年度終了の日から2ヶ月後に納税資金を確保しておく必要があります。

 

では、資金の余裕があるのは一体いつなのか。

それは、繁忙期の後、かつ、ボーナスなどの大きな支出がない時です。

 

まず、繁忙期の後であれば、売上高がピークに達しているわけですから、その資金を回収すれば余裕が生まれます。

なおかつ、ボーナスなどの大きな支出がなければ、比較的ゆとりもあるはずです。

このような条件が整っている時に納税することで、かなり資金繰りが楽になります。

 

法人にとって最も資金の余裕がある時期を探すことが、事業年度を決定する要因になります。

 

法人設立1年目の事業年度

原則として、法人の事業年度は1年間ですが、設立1年目については1年未満とすることができます。

つまり、4月1日に設立したからと言って、4月1日から3月31日までの期間を事業年度にしなくてもいいのです。

 

  • 4月1日から4月30日まで
  • 4月1日から9月30日まで
  • 4月1日から12月31日まで

どれを選んでも構いません。

 

したがって、繁忙期や納税資金のことを考慮して事業年度を決めることができます。

事業年度の変更は、定款を書き換えればいつでも可能ですが、ある程度の手間や費用が発生してしまいますので、できれば法人設立1年目に決めてしまいましょう。

 

法人設立1年目から戦略的に事業年度を設定することで、早期に経営を安定させることができます。

 

まとめ

法人の事業年度は自由に決めることができますが、適当に決めてしまってはいけません。

決算予測・納税予測・節税対策などをじっくり検討することができ、納税資金に余裕がある時期を選ぶ必要があります。

 

そのために考えておくべきこととして、

  1. 繁忙期を避ける
  2. 納税資金を確保できるか
  3. 法人設立1年目の事業年度

という3つのポイントをご紹介しました。

 

これらについて考えてから事業年度を決めることで、無理のない余裕のある決算・申告を戦略的に行うことができます。

 

「何もそこまで考えなくてもいいじゃん」と思うかもしれませんが、決算・申告は毎年行うものです。

きっちりとした戦略をもっておくべきなのです。

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