消費税の納税資金を確実に調達するための3ステップとは

 

日本の税金は、利益に対して課税されるものが多いです。

法人税、事業税、住民税、所得税、すべて利益に対して一定の税率を乗じて計算します。

 

しかし、消費税についてはその計算方法が異なります。

その結果として、納税資金を確保することが難しくなってしまっています。

 

消費税の計算方法を理解して、きちんと対策を立てることができれば、納税資金を確保することができるはずです。

以下の3つのステップを踏みながら、消費税の納税について考えてみましょう。

 

 消費税の納税資金を確実に調達するための3ステップ

  1. 消費税の計算方法を知ること
  2. 消費税の納税額を予測すること
  3. 消費税の納税資金を積み立てること

 

消費税の計算方法

消費税の考え方

消費税は、利益に対して課税される税金ではありません。

消費税は、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた金額を納付します。

 

 具体例その1 納付

  1. 商品の仕入高 税込10,800円(支払い消費税800円)
  2. 商品の売上高 税込21,600円(預かり消費税1,600円)
  3. 消費税の納税額 1,600円−800円=800円
 具体例その2 還付

  1. 商品の仕入高 税込10,800円×3個=32,400円(支払い消費税2,400円)
  2. 商品の売上高 税込21,600円×1個=21,600円(預かり消費税1,600円)
  3. 消費税の還付額 1,600円−2,400円=△800円

 

このように、消費税の計算において、いくら儲かったかということは問題ではありません。

預かった消費税と支払った消費税が、いくらなのかということが問題なのです。

 

この考え方をしっかりと理解しておかなければ、消費税の納税資金を確実に調達することはできません。

 

消費税がかからない取引

消費税を計算するためには、消費税が課税されない取引について知っておかなければなりません。

消費税が課税されない取引として、以下の3つは知って知っておくべきです。

  1. 給与
  2. 保険料
  3. 税金

 

これらの取引については、いくら支払ったとしても、そのなかに消費税は含まれていません。

これを知らずに消費税の計算をすることはできません。

 

消費税は赤字でも納めなければならない

ここまで、

  1. 消費税の考え方
  2. 消費税がかからない取引

について確認してきましたが、この2つの特徴により、消費税は赤字でも納めなければならないことがあります。

 

勘定科目 金額 消費税の額
売上高 1,080,000円 80,000円
仕入高 540,000円 40,000円
給与 500,000円 0円
その他の経費 324,000円 24,000円
差引 △284,000円 16,000円

このように、△284,000円の赤字が発生していても、16,000円の消費税を納めなければなりません。

 

消費税の納税資金について考えるためには、これらについて知っておく必要があるのです。

でなければ、消費税の納税額を見誤ることになり、納税資金を確保することができなくなってしまいます。

 

消費税の納税資金を確実に調達するためには、消費税について知ることから始めましょう。

 

消費税の納税額を予測する

消費税の納税資金を確実に調達するためには、消費税の納税額を予測する必要があります。

そして、消費税の納税額を予測するためには、消費税を計算する必要があります。

さらに、消費税を計算するためには、会計ソフトへの入力が必要になります。

 

 実務での消費税の計算方法

  1. 会計ソフトに仕訳を入力する
  2. 仕訳を入力するときに、消費税の金額も入力する
  3. 入力したものを集計して、消費税を計算する

このように、消費税を計算するためには、会計ソフトを利用する必要があります。

そして、正確な予測をするためには、できるだけリアルタイムの数字を確認しなければなりません。

 

したがって、消費税の納税資金を確実に調達するためには、日々の経理を素早く正確に進めておく必要があります。

 

消費税の納税資金を積み立てる

消費税の納税資金を確実に調達するために、最も重要なことは、納税資金を積み立てることです。

 

消費税というのは、

  • 特殊な事業を営んでいる
  • 多額の設備投資をしている

など、特殊な場合を除いて、ほぼ間違いなく納税が発生します。

 

しかし、ほとんどの事業者が、消費税を一時的に預かっているという認識がありません。

そして、ただの預かり金である消費税を運転資金に投下しています。

これでは消費税を納税することはできません。

 

消費税の計算方法をきちんと理解して、納税額を予測する。

そして、その予測した金額を計画的に積み立てておかなければなりません。

 

消費税の納税資金を確実に調達するためには、納税資金をコツコツと積み立てるしかありません。

 

消費税の節税は極めて難しい

消費税の納税を少しでも軽くするために、消費税の節税を考える人がいます。

しかし、消費税の節税は極めて難しいのでオススメしません。

 

税込1,080,000円の経費を使ったとしても、節税できる金額は80,000円だけです。

確かに、消費税の納税金額は80,000円安くなりました。

しかし、お金は1,080,000円減っています。

つまり、80,000円節税するために、1,080,000円の無駄遣いをしているのです。

 

何のために節税するのかということを、もう一度きちんと考え直すべきです。

 

まとめ

消費税の納税資金を確実に調達するためには、

  1. 消費税の計算方法を知ること
  2. 消費税の納税額を予測すること
  3. 消費税の納税資金を積み立てること

この3つのステップを踏む必要があります。

 

消費税の納税対策には、一発逆転は存在しません。

小さなことを少しずつ積み重ねていく以外に方法はありません。

 

正確な会計帳簿をもとに、精度の高い予測を繰り返し、コツコツと納税資金を積み立てる。

これが、消費税の納税資金を確実に調達するための唯一の方法です。

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