役員報酬の金額を変更するときに注意して欲しいこととは

 

あなたは役員報酬を決めるとき、どのようなことを考えてその金額を決定していますか?

  • 会社の業績に合わせている
  • 自分の仕事に見合った金額を設定している
  • とにかくたくさん取れるだけ取っている

その会社の方針にもよるでしょうが、どれを選んでも問題ありません。

しかし、きちんとした戦略をもって金額を設定していないのであれば、それは問題です。

 

そこで今回は、役員報酬の金額を変更するときに注意して欲しいことについて解説していきます。

どういう目的で役員報酬の金額を変更するのかということを考えてみてください。

 

役員報酬の決め方

まず、役員報酬の金額を決定するためには、会社の業績をきちんと把握、分析、予測しておかなければなりません。

利益が出ていないのに、多額の役員報酬を取ることはできませんし、たくさん利益が出ているのに役員報酬を取らないというのもおかしな話です。

その会社の業績に合わせて、戦略的に金額を設定しておく必要があります。

 

また、役員報酬の金額によって、税金・社会保険の金額も変わってきます。

それらについてもきちんと予測しておかなくてはなりません。

 

このように役員報酬の金額を変更するときには、様々な数字を予測して、そのバランスを取ることが大切になってきます。

行き当たりばったりで金額を設定してはいけません。

 

数字を予測することの重要性について

なぜそんなにも数字を予測することが大切なのでしょうか。

その理由は、役員報酬の金額の変更については好き放題できないように法人税法で定められているからです。

それもそのはず、役員報酬の金額を好きに設定できてしまうと、簡単に利益を操作することができるため課税の公平性を保つことができないのです。

 

定期同額給与

役員に対して毎月支給する給与については、毎月同額でなければなりません。

1月は50万円、2月は業績が良かったから100万円ということはできません。

毎月同額ということにしておかなければ、簡単に利益操作することができてしまうのです。

 

ではどうすればいいのか、それは新しい事業年度が始まってから3ヶ月以内に金額を変更して、その金額のまま1年間走り続けることです。

難しい税法の話は抜きにして、年に1回、最初の3ヶ月のうちに決めた金額を1年間続けるという認識で問題ありません。

 

この制限がある以上、新しい事業年度が始まってから3ヶ月以内に、ある程度今年の業績を予測しておかなければ役員報酬の金額を決定することができません。

つまり、役員報酬の金額を変更するためには、業績の予測が必要不可欠であるということです。

 

事前確定届出給与

役員に対して支給する給与については、毎月同額出なければなりませんが賞与についてはどうでしょう。

実は、役員に対する賞与についても、法人税法で厳しく規定されています。

 

役員に対して賞与を支給したいのであれば、決算が確定してから1ヶ月以内に、誰に、いつ、いくら賞与を支給するのかということを税務署に届け出なければなりません。

こちらも難しい税法の話は抜きにして、毎年決算が終わったら1ヶ月以内に一定の届出書を提出しなければ役員に対して賞与を支給することはできないという認識で構いません。

 

決算が終わってから1ヶ月以内ということは、給与の金額を変更するタイミングである新しい事業年度が始まってから3ヶ月以内と同時期です。

 

このように、役員に対する給与にしろ、賞与にしろ、業績の予測無くしてその金額を決定することができないのです。

 

役員報酬の金額を変更するためには

役員報酬の金額を変更するためには、業績の予測が必要不可欠です。

その具体的な方法としては、

  1. 決算の数字を分析する
  2. 新しい事業年度の予測をする

この2つをうまく組み合わせるしかありません。

 

決算の数字を分析することで、過去の行動と結果をチェックしていきます。

そこから、新しい事業年度の戦略を立てて、どのように行動していくのかということを決めていきます。

最後に、その行動の結果としてどの程度の数字を出せるかということを予測していくのです。

 

ここまできてやっと、役員報酬の金額をいくらにするのかを決めることができます。

 

そして、会社・役員それぞれにいくら税金がかかり、いくらお金が残るのかを考えて最終的な金額を決定していきます。

そうすることで、法人・個人のバランスを取ることもできます。

 

このあたりについては、法人のブレブレ経営戦略をビシッと計画通りに実行する方法で詳しく解説しています。

 

常に数字を確認すること

このように、役員報酬の金額ひとつ決めるだけでも、数字を確認するという作業が経営者には求められます。

 

しかし、

  • どうやって数字を予測すればいいかわからない
  • 予測がはずれてしまったらどうしよう

このように考える方も多いでしょうが、そんなこと言っていても仕方ありません。

 

これは、あなたの夢や目標を実現するための会社の大切な問題です。

あなた自身が責任を持って決めていくしかないのです。

 

そうは言っても、そこまで思い詰める必要もありません。

現在は、クラウド会計ソフトの進歩により、リアルタイムの数字をチェックするのは比較的容易です。

そして、仮に予測がはずれてしまっても、役員報酬以外の決算・節税対策はいくらでもあります。

 

大切なのは常に数字を確認するという姿勢です。

 

変化の激しい時代を生き抜くために、自社の数字を経営者がしっかりと把握しておくのは当然の責務です。

 

そうした経営者の仕事をサポートする意味でも、あなたに合った税理士を見つけておくことも大事なことかもしれません。

税理士が考えるあなたにとって良い税理士の選び方と探し方

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まとめ

役員報酬の金額を変更するためには、様々な数字を予測して、そのバランスを取ることが大切になってきます。

なぜなら、役員報酬については、利益操作できないように法人税法で厳しく規定されているからです。

 

役員報酬の金額は、単なる決算・節税対策だけでなく、会社の方針や戦略にも関わってきます。

しっかりと数字を確認してから、経営者自身が責任をもって決めていかなければならないことです。

 

常に数字を確認する姿勢を忘れず、将来のビジョンを胸に最適な役員報酬の金額を探してみましょう。

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