領収書を経費に計上できるかどうか?経費で落とすための2つの基準

 

税理士をしているとお客様から「この領収書は経費で落ちますか?」とよく質問されます。

お客様がこのような質問をする意図は、

  • 経費に計上しても税務署に怪しまれませんか?
  • 経費として認めてもらえますか?
  • 本当はダメだけど経費で落としていいよね?

ということを税理士に確認して、お墨付きをもらうためではないでしょうか…

しかし、その質問に対して私はすぐに答えを出しません…

なぜなら、私では答えを出すことができないからです!

理由としては、その経費がどういう目的で使用されたのかを私は知らないからです…

仕事で発生した経費なのか、プライベートなものなのか、知っているのはその経費を使用した本人です。

したがって、お客様自身で経費に落ちるか、落ちないかの判断をする必要があります!

「その判断が難しいから税理士に聞いてるんだよ!」

なんて怒られそうですが、実はその判断は難しくありません。

たった2つの基準を満たすことができれば、どんな領収書でも経費で落とすことはできますので安心してください。

 

経費として計上するための2つの基準

どんな領収書でもたった2つの基準を満たすことができれば、経費として計上することができます。

しかし、どちらか一方の基準を満たしていなければ、経費として計上するのは難しくなりますので注意しましょう。

 

証拠

経費として計上するための1つ目の基準は証拠』があるかどうかです。

税務署に経費として認めてもらうためには、まず証拠を揃えておかなければなりません。

この場合の証拠とは、レシート、領収書、請求書などのことをいいます。

証拠がない時点で経費として認めてもらうのはかなり難しいでしょう…

面倒かもしれませんが、経費を計上するためには証拠の収集と保管は絶対に必要です!

ただし、お祝い金、見舞金、香典などの領収書が発行されないものについては、手帳、出金伝票、お礼状などに日付と金額をメモしておくことで認めてもらえるケースもあります。

領収書などの証拠を紛失してしまった場合の対処法
  • 会計ソフトに入力しておく
  • Excelに入力しておく
  • 現金出納帳、手帳、出金伝票などに記載しておく

このような場合には、やむを得ない事情により証拠書類を紛失してしまっていても、経費として認めてもらえるケースもありますのでしっかりと対策しておきましょう。

ただし、必ずしも認めてもらえるわけではありませんので、証拠の保存は確実にしておきましょう。

 

理由

経費として計上するための2つ目の基準は、経費として計上するだけの『理由』があるかどうかです。

経費に計上する理由とは
  • 仕事で使用した経費なのか
  • 売上を上げるために使用した経費なのか

これらをの条件を満たすものが経費として計上する理由を備えた経費といえます…

言葉にするとシンプルですが、この判断が結構難しいです。

こんな場合はどうでしょう?

家族、恋人、友人との食事代はプライベートなものなので経費にはなりません。

しかし、夫婦同伴での取引先との食事代は経費になります。

夫婦で食事であればプライベートなものですが、取引先が入ってくることでによって『売上を上げるために仕事で使用した』ことになりますので経費として計上することができます。

このように、臨機応変にケースバイケースの判断をする必要がありますので、この判断基準を常に磨いておくとよいでしょう!

 

税務署に怪しまれる領収書

経費で落とすための2つの基準を満たすことができなければ、絶対に税務署に怪しまれます!

よく税務署から指摘を受ける領収書の例を見てみましょう。

 

商品代と記載された領収書

よく目にするのは、商品代と記載された百貨店の領収書です。

これでは何を買ったのかわかりませんし、レシートがあるにも関わらずわざわざ領収書を発行してもらっているという点で怪しいです…

「プライベートの買い物をしたのでは?」と考えるのが普通でしょう。

このような領収書は、経費として落とすための理由が弱いために税務署に怪しまれるのです。

やましいことがないのであれば、普通にレシートをもらいましょう。

ちょっとした豆知識

百貨店は商品代と記載した領収書を発行してくれますが、税務調査の反面調査で税務署が調べにいくと本当は何を購入したかを簡単にバラします…

税務調査においては下手に小細工すると余計に印象が悪くなりますのでやめておきましょう。

 

宛名・日付がない領収書

これもよく見かけるのですが、宛名・日付がない領収書は税務署でなくても怪しいと思うはずです。

人からもらってきた領収書ではないかと思われても仕方ありませんし、証拠・理由ともに問題があります。

もし、人からもらってきた領収書を経費として計上している場合はすぐにやめてください!

架空経費の計上は、立派な脱税行為です。

重加算税の対象になる

脱税とみなされた場合はもちろん、巧妙で悪質な手口により不正な申告をした場合には重加算税という非常に重い罰金が課税されます。

 

日用品・生活用品の領収書

スーパー、コンビニ、ホームセンターなどの領収書も非常に怪しまれます。

レシートではなく領収書を発行してもらうのはあまりに不自然ですし、たとえレシートであってもプライベートな日用品・生活用品であれば、経費に落とすことはできません。

証拠としての基準を満たすのであればレシートを、そして経費として落とすための理由を明確にしておく必要があります。

 

ひとりでスタバでコーヒを飲んだ場合の領収書

お客様から「ひとりでスタバでコーヒーを飲んだ場合の領収書は経費になるのか?」という質問をよくされますので、その考え方をご紹介しておきます。

この場合は、領収書があるので証拠という基準は満たしています…

あとは、経費として落とすための理由を示せるかどうかです!

普通に考えれば、ただ休憩しているだけなので経費として落とすのは難しいですが、最近ではスタバでパソコンを片手に仕事をしている人もたくさんいます。

そのような場合には、経費として計上しても全く問題ありません!

たとえ仕事をしていなくても、仕事に関連する本を読んでいたり、アイデアを練っていたりしても経費として計上できます。

とはいえ、「言ったもん勝ち」になってしまう部分もあるので、自分の中できちんと線引きしておく必要はあるでしょう。

あなたの中に少しでも後ろめたい気持ちがあるのなら、それは経費に計上しない方が無難です…

塵も積もれば山となりますが、スタバのコーヒー代を経費に計上したところで節税できる額はたかがしれてます。

それが原因で税務調査に怯えるぐらいならやめておいた方がいいでしょう!

 

まとめ

領収書を経費として計上するためには、

経費として計上する2つの基準
  • 証拠があるかどうか
  • 理由があるかどうか

という2つの基準を満たす必要があります。

まず、領収書がある時点で証拠としての最低条件はクリアしていますが、それも絶対的ではありません…

その領収書に本当に経費として処理できるだけの証拠能力があるかどうかは別問題であることも認識しておきましょう。

また、経費として計上する理由については、

経費に計上する理由とは
  • 仕事で使用した経費なのか
  • 売上を上げるために使用した経費なのか

ということをしっかりと確認するようにしましょう。

税務署に「この領収書はどういう経費ですか?」と聞かれた時に『しっかりとした理由を示すことができるかどうか』がポイントです。

証拠と理由、この2つの基準をクリアすることができれば、どんな領収書でも経費で落とすことができますので、ぜひ参考にしてみてください。

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