中小企業の将来の戦略としてM&Aという道を模索してみよう!

 

経営者の悩みとして一番多いのが、お金のことではなく人のことです。

とりわけ、後継者問題について頭を悩ませている方が多いのではないでしょうか。

親族内に適任者がいれば事業承継を進めることができます。

しかし、そうでない場合に残された道は「廃業」又は「M&A」しかありません…

そこで今回は、中小企業の将来の戦略としての「M&A」について一緒に考えてみましょう!

 

出口戦略としてのM&A

M&Aというのは、大企業だけの話ではありません。

純資産が数千万円の中小企業でも、十分に成立させることができます。

物事の価値観、人生の選択肢の多様化により、中小企業の後継者問題は深刻化しています。

親族内に後継者がいない場合には、従業員などの第三者への承継を考えることも珍しくありません。

しかし、株式譲渡や金融機関の個人保証の問題を解決することは難しく、なかなかうまくいかないのが現実です。

 

そこで考えられるのが「事業の承継を目的としたM&A」です。

M&Aと言うと「乗っ取り」「身売り」など敵対的買収を思い浮かべてしまい、良いイメージがないかもしれません。

しかし、中小企業の出口戦略としてのM&Aは従業員の雇用を守り、会社の技術や理念を受け継いでいくことが主な目的であるため、決してネガティブな意味ではありません!

 

M&Aという選択の可能性

中小企業の出口戦略としてのM&Aには、どれほどの可能性があるのでしょうか。

M&Aのメリット、事業承継や廃業が抱える問題について確認してみましょう。

 

M&Aのメリット

M&Aは、株式を売る側にも買う側にもメリットがあります。

売る側のメリット
  • 会社を存続させることができる
  • 従業員の雇用を守ることができる
  • 買う側の技術、ノウハウ、販路などを活用できる
  • 株式の譲渡にかかる税金を20.315%に抑えることができる
  • 金融機関の社長の個人保証を外すことができる
買う側のメリット
  • 企業規模を拡大できる
  • 技術、ノウハウを獲得できる
  • 得意先、取引先を拡大できる
  • 新規事業立ち上げを効率化できる
  • 熟練の従業員を獲得できる

中小企業の事業の承継を目的としたM&Aでは、売る側にも買う側にもメリットがあり、win-winの関係を築くことができるというのが最大のメリットです。

 

後継者問題を解決

親には親の人生が、子供には子供の人生がある。

時代の変化に伴い、子供が親の跡を継ぐということが珍しくなってしまいました。

また、親族内で後継者が見つからない場合には第三者を探すことになりますが、株式の譲渡と金融機関の個人保証の問題があるためなかなか話が進みません。

 

しかし、M&Aをうまく利用することにより、より優秀な経営者を外部に広く求めることができます。

創業者の理念を引き継ぎながら、会社を新たなステージに連れていくことができる。

M&Aは、後継者問題を解決しながら会社の成長も狙える大きなチャンスなのです。

 

廃業は難しい

「うちは後継者もいないから俺の代で廃業だな…」

中小企業の社長の中には、このような考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、廃業するのは意外と難しいです。

廃業の難しさ
  • 債権の回収と債務の支払い
  • 債務超過であれば廃業できない
  • 清算するまでランニングコストがかかる
  • 清算にかかる法人税が課税される
  • みなし配当課税(最大税率55%)

廃業するためには全ての資産を現金に変えて、負債を整理しなければなりません。

その過程では税金が生じますし、清算中にも給料・退職金・家賃などのランニングコストは発生します。

また、最後に残った現金については株主に対する配当となり、所得税と住民税を合わせて最大で55%の税金が課税されることになってしまいます。

うまく廃業できたとしても、M&Aと比較するとデメリットが多すぎます。

 

M&Aに向けた準備

ここまでで、M&Aが中小企業の出口戦略として可能性を秘めていることは理解していただけたかと思います。

次は、どのようにしてM&Aを進めていけば良いのかについて考えてみましょう。

 

M&Aはタイミングが大事

M&Aを成功させるためにはタイミングが大事です。

売りたいときに簡単に売れるようなものではありません。

事前にしっかりと準備を進めて、企業価値を高く評価してもらえるタイミングでM&Aを実行すべきです。

そのためにも、社長の引退までに余裕があるうちからじっくりと準備を進めていきましょう。

 

財務内容を改善

企業価値を高く評価してもらうために最も重要なことが財務内容の改善です。

借金まみれの赤字の会社を買う人はいません。

きっちりと利益を計上して、たくさん現金を持っている会社が強いです。

財務内容の改善には何年もの時間がかかります。

中小企業の出口戦略としてM&Aを考えるのであれば、時間をかけて財務内容を改善していきましょう。

 

買いたいと思われる会社づくり

財務内容の改善とともに取り組んで欲しいのが、買いたいと思われる会社づくりです。

つまり、目には見えないが確実に存在する会社としての付加価値を高めるということです。

会社の付加価値
  • 地元では一番
  • 唯一無二の技術を持っている
  • ニッチな市場に特化している
  • 独自の販売ルートを持っている
  • 人材育成のスペシャリスト

などなど、会社としての魅力を高めて買いたいと思われる会社づくりをしていきましょう。

 

まとめ

M&Aは、大企業だけの特別なものではありません。

最近では、新しいビジネスを始めるための資金調達の手段としてM&Aを活用するベンチャー企業も増えてきています。

そういう意味では、M&Aは中小企業の出口戦略として十分に可能性を感じさせてくれます。

中小企業の出口戦略として「事業承継」「廃業」以外にも「M&A」という選択肢があることを知っておいてください。

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