たった一度が命取り!絶対に粉飾決算に手を出してはいけません

 

最近だと東芝の粉飾決算が記憶に新しいですが、数年に一度、大企業による粉飾決算が、テレビや新聞などで大きく取り上げられて世間を騒がせています。

 

一般的には大企業が、自社の経営状態をよく見せかけるために行なっている印象がありますが、実は中小企業にも粉飾決算は存在します。

そして、粉飾決算に手を出した中小企業は、例外なくその後苦しむことになります。

 

なぜなら、粉飾決算は一度でも手を出してしまうと命取りになる可能性があるからです!

 

なぜこのようなリスクを負ってまで粉飾決算をしてしまうのか。

そこには、粉飾決算がどういうものなのかをきちんと理解できていないとういことが考えられます。

 

そこで今回は、

  1. 粉飾決算とはどういうものなのか
  2. なぜ粉飾決算に手を出してしまうのか
  3. 粉飾決算に手を出すと一体どうなってしまうのか

ということを見ていきたいと思います。

 

これを知れば恐ろしくて、粉飾決算しようなどと思わなくなるはずです。

 

粉飾決算の代表的な4つの手口

粉飾決算とは、不正な会計処理により虚偽の決算書を作成することを言います。

つまり、本当は儲かっていないにも関わらず、儲かっているように見せかけるということです。

 

粉飾決算の代表的な手口としては、

  1. 売上の過大計上・架空計上
  2. 在庫の過大計上
  3. 経費を貸付金・仮払金として計上
  4. 買掛金・未払金の計上もれ

の4つが挙げられます。

 

これらは全て、収益を過大計上・費用を過少計上することにより、利益を過大計上することができます。

利益を過大に計上することで、その会社の財務状態をよく見せるわけです。

 

しかし、粉飾決算の手口はある程度限られており、知っている人も多く、決算書を見ればすぐに見抜くことができます。

 

売上の過大計上・架空計上

粉飾決算の手口として最も簡単な方法が、売上の過大計上・架空計上です。

どちらにせよ、売掛金の金額が不自然に多くなりますのですぐにバレます。

 

そして、売上の過大計上については、翌期の売上を今期の売上として計上するだけなのでまだマシですが、売上の架空計上は相当タチが悪いです。

なぜなら、存在しない売上をでっち上げた挙句、いつまでたってもその売上に対する入金がないからです。

 

つまり、架空計上した金額が売掛金として帳簿に残り続けることになってしまい、ずっと将来に渡って処分することができなくなるのです。

 

そうなれば、売掛金の残高が不自然に多い状態が続いてしまい、正しい金額に戻すことができなくなります。

 

このように売上の過大計上・架空計上は簡単な方法であり、安易に手を出しやすいところですが、そのダメージは計り知れません。

粉飾決算の中でも、絶対にやってはいけない方法です!

 

在庫の過大計上

在庫の金額を過大に計上することで、利益を過大計上することができます。

これも、粉飾決算の常套手段としてよく使われる方法ですが、見る人が見れば簡単にバレてしまいます。

 

 在庫の過大計上を簡単に見抜く2つのポイント

  1. 原価率がおかしくなっている
  2. 請求書・納品書をたどっていけば数量が合わない

 

在庫の数字を変えるわけですから、当然これらのポイントを見ればすぐに粉飾決算を見抜くことができます。

しかも、売上と同様に本業に関わる部分を誤魔化すことになるため、事業の成果を正しく認識することができなくなってしまいます。

 

そうなってしまえば、正しい経営意思決定をするための情報を会計帳簿から得ることができません。

これだけでも会社にとっては大損害であると言えるでしょう!

 

会計・経理を経営に役立てるには過去の分析と未来の予測が必要不可欠で詳しく解説していますが、正しい数字を見ることは非常に大事なことなのです。

 

経費を貸付金・仮払金として計上

本来は何かしらの経費の支払いをしているが、利益を出すために経費から除外するという方法です。

 

これも本当によくある手口なのですが、この方法は最も稚拙であり粉飾決算をする価値すらありません!

 

なぜなら、粉飾決算をしなければならないほど利益が少ない、又は赤字が出ているにも関わらず、経費から除外できてしまうような支払いがあるからです。

つまり、無駄遣いしたものを「やっぱりやめた」と言って引っ込めているようでは、お話にならないということです。

 

しかも、貸付金・仮払金の内容を調べればすぐにバレてしまいます。

 

そして、銀行は貸付金・仮払金を異様に嫌います。

なぜなら、融資を実行してもどこにその資金を投下するのかわからないからです。

 

もし、その貸付金・仮払金が粉飾決算によるものだと判明すれば、今後の融資は一切見込めませんし、最悪の場合すぐに返済を迫られることもあります。

 

そのリスクを犯してまで粉飾決算をする意味などないはずです!

 

買掛金・未払金の計上もれ

今期の経費にしなければならないものを、買掛金・未払金には計上せず、支払ったとき、つまり来期の経費にしてしまう方法です。

こうすることで、今期の利益を過大に計上することができてしまいます。

 

この方法は、前の3つの方法よりダメージが少ない方法ではありますが、売上・在庫と同じで本業に関わる部分を誤魔化すという点では同じです。

 

正確な数字を把握して、的確な経営対策を打っていくことにより粉飾決算などしなくてよい会社にできるはずです。

ダメージが少ないとは言え、会社にとって不利益になるようなことは避けていかなくてはなりません。

 

粉飾決算の目的

見る人が見ればすぐにバレてしまう粉飾決算ですが、どうして手を出してしまうのでしょうか。

考えられる原因は2つあります。

 

株主によく見せるため

まず1つ目の原因は、株主に対して会社の業績をよく見せるためです。

なぜそのようなことが必要なのかというと、より多くの株主から、より多くの出資を集めるためです。

 

株主の最大の目的は、配当金を得ることです。

その配当金を得るためには、少しでも業績の良い会社の株式を所有する必要があります。

したがって、会社はより多くの利益を出す必要があるというわけです。

 

しかし、これは上場しているような大企業に限った話であり、株主=社長である中小企業には関係のない話なのです。

 

銀行によく見せるため

中小企業が粉飾決算をする最大の目的は、株主ではなく銀行に業績の良い会社であることをアピールして、融資を実行してもらうためです!

 

事業を継続していくために最も大切なことは、お金があるかどうかです。

お金さえあれば、赤字が続いていても事業を継続していくことができますし、新たな投資をすることもできます。

 

しかし、中小企業は大企業と違ってそれほど資金が潤沢なわけではありません。

どんな優良企業でも、ある程度融資を受けているはずです。

 

そして、銀行は業績の悪い会社に融資してくれるほど甘くはありません。

赤字が何年も連続していると、話すら聞いてもらえないでしょう。

 

そうなると、少しでも業績の良い決算書が必要になってくるわけで、結果として粉飾決算に手を出してしまうことになります。

 

しかしながら、粉飾決算に手を出すと、結果的には株主にも、銀行にもよく見せるどころか、完全に裏切ってしまうことになるので絶対にしてはいけません!

 

粉飾決算するとあとで必ず後悔します

今は良くても将来苦しくなる

銀行から融資を受けるために粉飾決算に手を出すと、将来強烈なシワ寄せがきます。

 

なぜなら、粉飾決算は将来の利益を先取りしてしまっているからです。

 

粉飾決算の代表的な4つの手口をご紹介しましたが、どの手口にも共通して言えることがあります。

それは、将来の利益を粉飾決算した年の利益として計上しているということです!

 

つまり、利益の先取りです。

そして、この利益の先取りが、将来にわたって会社を苦しめることになってしまいます。

 

理由は、粉飾決算の負のスパイラルに陥ってしまうからです。

 

 粉飾決算の負のスパイラル

  1. 苦しいので粉飾決算をして利益を計上
  2. 利益を計上すると税金の支払いが増え、さらに苦しくなる
  3. 粉飾決算をすると利益を先取りしているため、次の年が苦しくなる
  4. さらに粉飾決算を続ける以外に道がなくなる

 

こうなってしまうと簡単には抜け出すことができません。

 

このように粉飾決算は、一度手を出してしまうとそれを繰り返してしまい、二度と戻ってくることができなくなってしまう麻薬のようなのもです。

 

だから、苦しくても絶対に手を出してはいけません!

 

銀行が怖くなる

粉飾決算をすると銀行が怖くなってしまいます。

なぜなら、粉飾決算がバレると銀行は融資を実行してくれなくなるからです。

 

虚偽の決算書を作成して相手を騙すような真似をする会社の相手などしてくれるわけがありません!

それほど粉飾決算とは罪のある行為なのです。

 

事業を継続していく上で、銀行とはうまく付き合っていく必要はありますが、怖がって顔色を伺う必要などないはずです。

その意味でも、粉飾決算などという愚かな行為はやめておくべきです。

 

税務署も怖くなる

粉飾決算は利益を過大計上して、本来払う必要のなかった税金を払っているため、税務署は怖くないと考える人がいますが、それは大きな間違いです。

 

確かに、粉飾をしたところについてはお咎めなしですが、それ以外については全く別です。

普通に調査されますし、場合によっては修正申告することもあります。

 

「粉飾して多めに税金払ってんねんから見逃して!」なんて言っても税務署は絶対に見逃してはくれません!

 

むしろ、粉飾決算をするぐらいの会社なら正しい申告ができていないのではないかと考えて、余計に厳しい調査を受けることもあり得ます。

もし私が税務署の調査官なら、絶対にそういう姿勢で調査に臨みます。

 

そして、税金を払いたくないあまり、粉飾決算をやめたとしても今度は銀行に粉飾がバレてしまうため身動きが取れません。

 

どちらにせよ、自分で自分の首を絞めることになってしまうのです。

 

まとめ

中小企業が粉飾決算に手を出してしまう最大の原因は、銀行からの融資を得るためです。

しかし、

  1. 粉飾決算の手口は限られており、すぐにバレてしまうこと
  2. 銀行も、税務署も怖くなってしまうこと
  3. 将来にツケを回してしまい、さらに粉飾決算を続けざるを得ないこと

などの理由から絶対に手を出してはいけません!

 

一度粉飾決算の旨味を覚えてしまうと簡単にはやめられなくなります。

そして、気づいた時には会社の財務状態はボロボロで手の施しようがなくなってしまいます。

まさに薬漬けです。

 

健全な経営を続けていくためには、どんなに苦しくても粉飾決算の誘惑に負けてはならないのです!

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